評価:4.0 [jinstar4.0 color=”#ffd900″ size=”20px”]
ゲーミングデバイスはすべて消耗品であり、日本国内でいつでも在庫があって適切な価格で販売されていて、すぐに届くものを選ぶほうが最も良い。しかし日本国内で販売していないものはその他地域から購入するしかない。
知る人ぞ知るX-raypad。今回はX-raypadオリジナルのゲーミングマウスパッド「X-raypad AQUA SPEED」をレビューする。
スペック
公称値
サイズ | Lサイズから3XLまで7種展開 |
---|---|
厚み | 3mm |
素材 | ポリエステル |
タイプ | スピード&コントロール |
裏面 | 滑り止めラバー |
縁 | ステッチ加工 |
サイズ展開
Lサイズから3XLサイズまで合計7種のサイズが展開されている。(2020/11/02時点)
筆者はXLサイズ(450x400x3mm)を購入した。
カラー・パターン展開
AQUA CONTROL+と違って、ブラックのみ展開。
単色ホワイトや柄の選択肢はない。
梱包・表面
中国からフラットな段ボールに梱包されて届く。中身は透明のフィルムに収められており簡易的な包装。フラットなまま届いたので開封時点で巻き癖は一切ない。うねりや折れ目など外観的な不具合は一切確認できない。開けてすぐに使用可能だ。
- 梱包
- 表面
防水処理を施された滑らかな表面生地が特徴的。万が一、水やジュースをこぼしてしまってもマウスパッドが濡れるのを防ぐ。
- 防水性能
- ふき取り後の滑走面
マウスパッドの端のステッチは丁寧に縫製されており、柔らかい手触りである。全周見渡してもほつれや破れは一切見当たらず良い作り。
- エッジ①
- エッジ②
表面拡大・厚み
素材は摩耗や湿気に強いポリエステル。撚糸を用いた丸編み生地で構成されている。トラッキングについては後述する。公称値は3.0mmで、実測値で2.9mmであった。
- 滑走面等倍
- 滑走面拡大
- 厚み
裏面
裏面はゲーミングマウスパッドでよく見るいつもの滑り止めラバー。マウス操作中はあまりずれないが、指の腹で軽く押すと容易にずれる。
- 裏面
- 裏面エッジ
- 裏面等倍
静摩擦係数・硬度
硬度測定
- 測定機:タイプC・テクロック GS-701N(JIS K 7312準拠)。
- 測定点数:押針の接触点が6mm以上離れた位置で5回測定する。
- 測定方法:測定位置に測定機を真上から押し当て密着後直ちに読取。
- 測定結果のまとめ方:5点測定の中央値に試験の種類またはその記号を付して表す。
- (例.HsC50:タイプC硬さ試験で加圧面が密着した直後の硬さの読みが50であることを示す。)
- 硬度計
- 測定位置
数値は0に近づくほど柔らかい。上記条件はJISで定められた、硬度を正しく測定する方法と大きく異なる。JIS K 7312においてタイプCでは試験片厚さ10mm以上・すべて同一素材で構成されていることなど規格で定められた方法で測定しなけらば精確な測定結果は得られない。上記方法で試験した結果の数値はあくまで筆者の興味で調べた参考値であり、製品を保証するものでもない。また温度や湿度、製品の個体差などで数値変動があることをご了承頂きたい。
静摩擦係数測定
- 測定機:新東科学株式会社ポータブル摩擦計「TYPE:94i-II」
- 試験片:Hyperglide MX-2 (PTFE100%)
- 測定位置:対角+方眼のグリッドラインがマウスパッド上にあると仮定し、線が交差する9か所。
- 測定方法:水平で安定した場所にマウスパッドを置いて、下に示す9か所を縦・斜め・横の方向別に測定しそれぞれの平均値を計算。
- サンプル
- 取り付け
- 測定位置
静摩擦係数=初動の滑り出す力。0に近づくほど滑り出しやすい。いずれの数値も個人が計測した値であり、また個体差等による数値変動が有るため製品を保証するものではない。
結果
マウスを頻繁に動かす横方向(X)の静摩擦係数平均値は0.133。縦方向(Y)の静摩擦係数平均値は0.174。その差異は0.04でやや大きい。横・斜め・縦方向の滑り心地の差異は、手の感覚で強く感じ取れた。硬度は中央値でHsC50であり、硬すぎず柔らかすぎない。
- 縦
- 斜め
- 横
- 硬度
X-raypad AQUA SPEEDの横方向(X)への静摩擦係数平均値は0.133という値は、スピードタイプというよりもバランスタイプに分類される値であり、先日レビューしたAQUA CONTROL+の0.131とほぼ同じ。しかし、滑走面の織り方が梨地織り(AQUA CONTROL+)か丸編み(AQUA SPEED)が違うだけで「斜め及び縦方向」と「横方向」の差異が大きくことなる。どんな方向へマウスを動かしても摩擦の差異を小さく抑えたいならAQUA SPEEDで、縦方向に対して強く摩擦を得たいならAQUA CONTROL+という選び方ができる。
X-raypad AQUA CONTROL+ コストパフォーマンスに優れサイズもカラーも豊富なバランスタイプのゲーミングマウスパッド。
他製品と比較
センサーとの相性
環境
- OS:Windows 10
- 使用ソフト:MouseTester ver 1.5.3
- DPI400/800/1600/3200に設定し測定。
- 特に記述がない限りポーリングレートは1000Hz固定。
使用マウス
- EC2-A(ADNS-3310)
- EC2(PMW3360)
- NP-01(PMW3389)
- G Pro Wireless(HERO25K)
マウスやマウスパッドの個体差、使用環境、ファームウェアバージョンなど様々な要素で結果が変動する。またあくまでも出力されたデータが100%正しいものではなく、そして製品を保証するものではない。
結果
- PixArt社製センサー3310・3360・3389は安定した波形でノイズも特になく精確なトラッキングを示している。
- HERO25KセンサーはDPI400/800/1600/3200かつポーリングレート1000Hzの条件下で、xCountグラフ内に原因不明のスパイクが多数確認された。ほかのHERO25Kセンサー搭載マウスに変えても同様に再現可能であった。しかし、xSumグラフを見る限りトラッキングは精確に記録されており、トラッキング不良は無かった。
- HERO25Kセンサーの上記条件をポーリングレート500Hzに変更してテストしたところ、xCountグラフ内に原因不明のスパイクは無かった。
- すべての画像はScrapboxに保存している。気になる方はリンクからどうぞ。Scrapbox X-raypad AQUA SPEED
G Pro Wireless HERO25K
ポーリングレート1000Hz時のグラフ
- DPI400xCount
- DPI800xCount
- DPI1600xCount
- DPI3200xCount
- DPI400xSum
- DPI800xSum
- DPI1600xSum
- DPI3200xSum
使用感
滑走面はさらさらとした手触りで、手汗をかいても肌に貼りつかず、擦れた時に痛みを全く感じない。表面の色艶はQcK EDGEによく似ている。繊維の太さがQcK EDGEのほうが細く滑らかな撫で心地で、AQUA SPEEDのほうはそれよりも若干太くザラついて感じる。
実際に使用した感覚は、AQUA SPEEDのほうがQcK EDGEの滑走面よりほんの少しだけ軽く滑り出すように感じた。AQUA SPEEDは静摩擦係数平均値(方向別)が示す通り、マウスを動かす方向によって摩擦の感じ方が大きく異なる。中間層の沈み込みはLogicool G640によく似ており、強すぎず弱すぎないストッピングアシストを提供する。